投資用ワンルームマンション販売会社のリスティング広告運用を代行した事例です。
▼ 成果の変化
改善の流れや改善策などを、詳しく紹介していきます。
改善の流れや改善策を詳しく紹介する関係から、クライアント様の社名は非公開となります。ご了承くださいませ。
課題
▼ 課題概要
- リスティング広告を始めてみたものの、ほとんどリードが取れない
- 改善の必要性を感じているが、改善が思うように進まない
ワンルームマンション投資のリスティング広告は、クリック単価が異様に高いです。
理由は2つです。
- 競合が多く、クリック単価が高騰している
- 成約単価が大きく、競合が上限クリック単価を高めに設定している
「ワンルームマンション 投資 会社」、「ワンルームマンション 投資 費用」などの顕在キーワードでは、クリック単価が1,000円を超えます。
このクライアント様は、アカウント設計、運用後の改善、がどちらも適切にできておらず、運用開始当初から思ったようにリードを取れていませんでした。
「Webマーケティングに力を入れていく」という経営戦略がありましたが、現状の成果が悪すぎることが原因で、予算を上げられていませんでした。
依頼前の運用状況
内容 | 状況 |
運用方法 | 広告代理店 |
アカウント閲覧権限 | あり |
アカウント設計書 | なし |
成果レポート | 毎週 |
作業レポート | 随時更新 |
配信媒体 | Google検索 |
広告予算 | 50万円/月 |
上限予算 | 1,000万円/月 |
改善策を抽出するときの考え方
下記の2点以外は、リスティング広告でできます。
- 販売価格を上げる
- 粗利率を上げる
広告文やキーワードなどを改善し、クリック単価やコンバージョン率、成約率、などの各指標を改善していきます。
このとき、「1つの指標に固執しない」ことを意識します。
1つの指標に固執すると、他の指標が悪化し、結果的に利益が減少する可能性があるからです。
▼ よくある失敗例
- クリック率を上げたら、コンバージョン率が悪化
- コンバージョン率を上げたら、クリック単価・成約率が悪化
あくまで利益最大化を念頭に置いて、改善策を抽出していきます。
改善策を抽出するときは、「不動産業界のリスティング広告を成功させる9のポイント」を確実に押さえるようにします。
改善策
クライアント様が依頼していた広告代理店のアカウントを拝見し、リスティング広告の改善策を抽出していきました。
▼ 改善策
- 予算を増強
- 入札戦略を変更
- 広告グループを2つに分割
- 広告文を追加・ABテスト
- キーワードを追加
- マッチタイプを最適化
- お役立ち資料を作成・無料贈呈
それぞれ詳しく説明していきます。
① 予算を増強
▼ 改善内容
- 改善前:予算を50万円に設定
- 改善後:自動入札が働くように予算を設定
Google・Yahoo!ともに、自動入札(AIによる最適化機能)が進化しており、自動入札を用いて運用した方が成果が高くなります。
自動入札を働かせるためには、1広告グループあたり20リード/週(最低30リード/月)を確保しなくてはいけません。(補足:リード数が増えるほど、自動入札の精度が上がります)
下記の2つの背景から、初めは予算を300万円/月(=50,000円×30リード×2広告グループ)に設定しました。
- CPAを50,000円と想定
- 一般キーワードの広告グループを2つに分ける予定
そして、運用開始後に予算を毎月50〜100万円ずつ上げていきました。
② 入札戦略を変更
▼ 改善内容
- 改善前:コンバージョン数の最大化に設定
- 改善後:目標コンバージョン単価制に設定
「コンバージョン数の最大化」や「コンバージョン値の最大化」など、指標最大化の入札戦略でリスティング広告を運用していると、費用対効果が合わないユーザーにも配信されてしまいます。
指標最大化の入札戦略は、「指標が最大化するように、全ての予算を消化させてしまう」からです。(補足:全ての予算を消化しなければ、指標は最大化しません)
費用対効果が合うかどうかは関係ないのです。
費用対効果が合うユーザーにのみ配信するには、下記のいずれかの入札戦略で運用しなくてはいけません。
- 目標コンバージョン単価制
- 目標広告費用対効果
目標広告費用対効果は、目標コンバージョン単価制より自動入札が働きにくいです。
無料相談(=成約率が高いが、CPAも高い)に配信が寄り、リード数が減ってしまうからです。
このクライアント様は、「成果を見ながら、予算を徐々に上げていきたい」という意向がありました。
- まずは入札戦略を「目標コンバージョン単価制」に設定
- 予算が1,000万円に到達したタイミングで「目標広告費用対効果」に変更
こうすることにしました。
初めの2ヶ月間は、ポートフォリオ入札戦略を用いて、上限クリック単価を設定し、クリック単価の上昇を抑えました。
▼ 補足:入札戦略の種類
種類 | 入札方針 |
目標インプレッションシェア | 目標インプレッションシェアを下限にしつつ、インプレッション数を最大化 |
クリック数の最大化 | クリック単価を最小化しつつ、予算を全て消化 |
コンバージョン数の最大化 | CPAを最小化しつつ、予算を全て消化 |
目標コンバージョン単価制 | 目標CPAを上限にしつつ、コンバージョン数を最大化 |
コンバージョン値の最大化 | 広告費用対効果を最大化しつつ、予算を全て消化 |
目標広告費用対効果 | 目標広告費用対効果を下限にしつつ、コンバージョン値を最大化 |
注1.コンバージョン値とは、「1コンバージョンあたりの価値」のこと。通常、売上や利益を設定する。
注2.広告費用対効果とは、「広告費に対するコンバージョン値の割合」のこと。
③ 広告グループを2つに分割
▼ 改善内容
- 改善前:一般キーワードを1広告グループで設計
- 改善後:一般キーワードの広告グループをキーワードニーズで分類
リスティング広告では、広告グループ単位で広告文を設定します。
クリック率が高い広告文を表示させるには、キーワードニーズごとに広告グループを分けなくてはいけないのです。(補足:クリック率が上がるほど、クリック単価が下がります)
▼ キーワードニーズの種類
種類 | 具体例 | 説明 | |
資産運用系 | 潜在 | 資産運用 とは | 資産運用を検討する可能性があるユーザーが調べるキーワード |
資産運用 意味 | |||
資産運用 詐欺 | |||
準顕在 | 資産運用 方法 | 資産運用を検討しているが、投資手法・やり方がわからないユーザーが調べるキーワード | |
資産運用 方法 | |||
資産運用 リスク 少ない | |||
顕在 | 資産運用 会社 | 資産運用の依頼先を探しているユーザーが調べるキーワード | |
資産運用 相談 | |||
資産運用 おすすめ 東京 | |||
不動産投資系 | 潜在 | 不動産投資 とは | 不動産投資を検討する可能性があるユーザーが調べるキーワード |
不動産投資 意味 | |||
不動産投資 詐欺 | |||
準顕在 | 不動産投資 方法 | 不動産投資を検討しているが、投資対象物件・やり方がわからないユーザーが調べるキーワード | |
不動産投資 種類 | |||
不動産投資 リスク 少ない | |||
顕在 | 不動産投資 会社 | 不動産投資の依頼先を探しているユーザーが調べるキーワード | |
不動産投資 相談 | |||
不動産投資 おすすめ 東京 | |||
ワンルームマンション投資系 | 潜在 | ワンルームマンション投資 とは | ワンルームマンション投資を検討する可能性があるユーザーが調べるキーワード |
ワンルームマンション投資 意味 | |||
ワンルームマンション投資 詐欺 | |||
準顕在 | ワンルームマンション投資 方法 | ワンルームマンション投資を検討しているが、やり方がわからないユーザーが調べるキーワード | |
ワンルームマンション投資 種類 | |||
ワンルームマンション投資 リスク 少ない | |||
顕在 | ワンルームマンション投資 会社 | ワンルームマンション投資の依頼先を探しているユーザーが調べるキーワード | |
ワンルームマンション投資 相談 | |||
ワンルームマンション投資 おすすめ 東京 |
広告グループ単位で自動入札が働くことから、「広告グループを1つにまとめた方がいいのでは?」という質問をいただきます。
Google・Yahoo!ともに自動入札の精度は高いですが、精度は100%ではありません。
- 全ての広告グループで自動入札が働くだけのコンバージョン数を確保することを前提に、
- キーワードニーズごとに広告グループを分け、
- キーワードニーズに沿った広告文を表示させる
こうした方が、成果が高くなります。
このクライアント様には、下記の2つの意向がありました。
- 予算を1,000万円/月まで伸ばしたい
- 成果を見ながら、徐々に予算を上げたい
予算を1,000万円/月まで伸ばすには、下記の2種類のキーワードを網羅する必要があります。(補足:予算2,000万円/月以上だったら、資産運用系も必要になります)
- 不動産投資系
- ワンルームマンション系
そして、予算を徐々に上げていくのであれば、初めのうちは広告グループ数を極力減らさなくてはいけません。(補足:予算が少ない状態で広告グループ数を増やすと、自動入札が働かなくなります)
以上のことから、今回は「不動産投資系」と「ワンルームマンション投資系」の2つに広告グループを分けました。
予算を増やすにつれて、広告グループを細分化していきました。
④ 広告文を追加・ABテスト
▼ 改善内容
- 改善前:顕在層向けの広告文のみを入稿
- 改善後:潜在層向け・準顕在層向け・顕在層向けの広告文を入稿
キーワードニーズ(ex.不動産投資系の潜在キーワード、ワンルームマンション投資系の顕在キーワード)によって、クリック率が高い広告文が違います。
ユーザーが求めている情報が異なるからです。
▼ 広告文を作るときのポイント
- キーワードをできる限り含める
- 潜在キーワードでは、無料セミナーを訴求
- 準顕在キーワードでは、ベネフィット・簡便性を訴求
- 顕在キーワードでは、信頼性・差別化ポイントを訴求
「③ 広告グループを2つに分割」でご説明した通り、今回は下記の2種類のキーワードで広告グループを分けました。
- 不動産投資系
- ワンルームマンション投資系
どちらの広告グループも、潜在キーワード・準顕在キーワード・顕在キーワードが含まれています。
それぞれの広告グループに、潜在層向け・準顕在層向け・顕在層向けの広告文を入稿しました。
▼ 具体例
広告グループ | 広告文例 |
不動産投資系 |
|
ワンルームマンション投資系 |
|
注1.不動産投資系の顕在キーワードは、ワンルームマンション投資を検討する前のユーザーが調べるキーワードです。信頼性・差別化訴求よりも、ベネフィット・簡便性訴求の方が刺さります。ゆえに、顕在層向けの広告文は、準顕在層向けの広告文と同じで問題ありません。
1回でクリック率が高い広告文は見つけられません。
1広告グループあたり5〜6個の広告文を入稿し、ABテストしていきました。
⑤ キーワードを追加
▼ 改善内容
- 改善前:ビックキーワード・ミドルキーワードのみを入稿
- 改善後:ロングテールキーワードを400個以上追加
繰り返しになりますが、自動入札の精度は100%ではありません。
ビックキーワード・ミドルキーワードを部分一致で配信するだけでは、成果が出ないキーワードに配信され続けてしまいます。
ロングテールキーワードまで入稿し、それぞれを管理した方が、成果が高くなるのです。
また、ビックキーワード・ミドルキーワードを部分一致で配信するだけでは、全ての関連キーワードに配信できません。(補足:関連キーワードへの配信数が減ると、お宝キーワードへの配信数が減る)
▼ 今回おこなったキーワード抽出方法
- キーワードツール
- 今までの配信データ
運用開始後は、月一で配信クエリ・コンバージョンクエリを確認し、随時キーワードを追加していきました。
▼ 補足:予算が500万円/月を超えたときに、無関心キーワードを追加
無関心キーワードとは、「いずれ不動産投資・ワンルームマンション投資を検討するかもしれないユーザーが調べるキーワード」のことです。
種類 | 無関心キーワードの例 |
不動産投資系 | 不動産 市況 |
不動産 価格 推移 | |
不動産 今後 予測 | |
ワンルームマンション投資系 | ワンルームマンション 市況 |
ワンルームマンション 価格 推移 | |
ワンルームマンション 今後 予測 |
無関心キーワードは、クリック単価が低いです。
大半が10円未満です。
適切に管理すれば、低いCPAでリードを獲得できます。
無関心キーワードで成果を出すには、無関心キーワードの広告グループを作らなくてはいけません。
クリック率が高い広告文が、潜在・準顕在・顕在キーワードの広告文と大きく異なるからです。(補足:無関心キーワードでは、「まだ労働所得に頼るの?」などの煽り系の広告文のクリック率が高い)
「④ 広告文を追加・ABテスト」でご説明した通り、広告グループ単位で広告文を設定します。
ゆえに、無関心キーワードの広告グループを作る必要があるのです。
今回、予算が500万円/月を超えたときに、「無関心キーワードの広告グループを作っても、自動入札が働く」と判断し、無関心キーワードを追加していきました。
⑥ マッチタイプを最適化
▼ 改善内容
- 改善前:大半のキーワードを部分一致に設定
- 改善後:成果・語句数に応じてマッチタイプを調整
「⑤ キーワードを追加」でご説明した通り、ビックキーワードを部分一致で配信するだけでは、成果の出ないキーワードに配信され続けてしまいます。
ロングテールキーワードを入稿した上で、キーワードごとにマッチタイプを調整した方が、成果が高くなります。
▼ マッチタイプの調整方法
- 運用開始前
① 1語キーワードを完全一致に設定
② 2語キーワードをフレーズ一致に設定
③ 3語以上のキーワードを部分一致に設定 - 運用開始後
① CPAが合っているキーワードは、「完全一致→フレーズ一致」、「フレーズ一致→部分一致」、に変更
② CPAが合っていないキーワードは、「部分一致→フレーズ一致」、「フレーズ一致→完全一致」、「完全一致→除外」に変更
上記の通りにマッチタイプを設定し、1ヶ月ごとにマッチタイプを調整していきました。
⑦ お役立ち資料を作成・無料贈呈
▼ 改善内容
- 改善前:お役立ち資料を作成していない
- 改善後:無料相談を申し込んだ人に、お役立ち資料を無料贈呈
商談前にお役立ち資料を読んでもらっておくことで、成約率が上がります。
理由は2つです。
- ユーザーから信頼を得られる
→ 営業トークの信憑性が強まる - ユーザーに最低限の知識がつく
→ 不必要な説明が要らなくなる
商談がスムーズに進むようになり、成約に繋がりやすくなるのです。
また、特定のコンバージョンにお役立ち資料を無料贈呈することで、そのコンバージョンの割合が増えます。
Google・Yahoo!ともに、コンバージョンユーザーのデータをもとに自動入札が働きます。
成約率が高いリードにお役立ち資料を無料贈呈すれば、成約率が高いユーザーへの配信が増えるのです。
ワンルームマンション投資のリスティング広告では、「無料相談」からの成約率が最も高いです。
無料相談を申し込んだユーザーに、お役立ち資料を無料贈呈していきました。
▼ 今回作ったお役立ち資料の内容(一例)
- 現在の不動産状況・今後の予測
- 様々な年齢・性別のお客様の声
- よくある物件の選び方・選ぶときの注意点
- ワンルームマンション投資に失敗しないためのポイント
改善後の成果
CPAが49.8%(85,466円→42,946円)も改善しました。
予算は600万円まで増やせて、リード数は2,820%(5件→141件)を達成しました。
クライアント様から成約率の掲載許可が出ていませんが、「購入モチベーションが高いお客様との商談が増え、成約率が大幅に上がった。新人でも普通に成約が取れている」という報告を受けています。
「この調子で予算を増やしていきたい」というお言葉をいただいています。
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わたしたちは、不動産業界のリスティング広告に強い代理店です。
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