リスティング広告事例1:過払い金請求の問い合わせ獲得単価を54.1%改善し、問い合わせ数709.5%を達成

弁護士事務所の過払い金請求業務のリスティング広告運用を代行した事例です。

▼ 成果の変化

過払い金請求のリスティング広告における依頼前と依頼後の成果推移
 

改善の流れや改善策などを、詳しく紹介していきます。

▼ 留意点

改善の流れや改善策を詳しく紹介する関係から、クライアント様の事務所名は非公開となります。ご了承くださいませ。

 

課題

▼ 課題概要

  • CPAが悪化してきたが、打ち手がわからない
  • もっと予算を増やしたいが、今のCPAでは予算を増やせない
 

過払い金領域のリスティング広告は、競合が年々増加しています。

それに伴い、クリック単価が高騰しています。

このクライアント様は、適切に調整できておらず、運用開始当初に比べて、CPAが悪化していました。

「予算を上げて、問い合わせを増やしたい」という意向がありましたが、「CPAの高騰」が原因で、予算を上げられていませんでした。

 

依頼前の運用状況

内容 状況
運用方法 広告代理店
アカウント閲覧権限 なし
アカウント設計書 あり
成果レポート 毎月
作業レポート なし
配信媒体 Google検索、Yahoo!検索
広告予算 150万円/月
上限予算 500万円/月

 

改善策を抽出するときの考え方

過払い金請求のリスティング広告における改善策抽出時の考え方

「手数料率を上げる」以外は、リスティング広告でできます。

広告文やキーワードなどを改善し、クリック単価やコンバージョン率、成約率などの指標を最適化していきます。

このとき、「1つの指標に固執しない」ことを意識します。

1つの指標に固執すると、他の指標が悪化し、結果的に利益が減少する可能性があるからです。

よくある失敗例

  • クリック単価を下げたら、過払い金額・コンバージョン率が悪化
  • コンバージョン率を上げたら、過払い金額・成約率が悪化
 

あくまで利益最大化を念頭に置いて、改善策を抽出していきます。

改善策の抽出時には、「弁護士事務所のリスティング広告を成功させる8のポイント」を確実に押えるようにします。

 

改善策

クライアント様がリスティング広告のアカウント権限をもらえていなかったため、成果レポート・アカウント設計書をもとに、改善策を抽出しました。

改善策

  1. 配信媒体を変更
  2. 広告グループを細分化
  3. キーワードニーズごとに広告文を最適化
  4. ロングテールキーワードを追加
  5. マッチタイプを最適化
  6. コールトラッキングツールを導入
  7. ランディングページを改善
 

それぞれ詳しく説明していきます。

 

① 配信媒体を変更

改善内容

  • 改善前:Google検索とYahoo!検索の両方で配信
  • 改善後:Google検索のみで配信
 

Google・Yahoo!ともに、自動入札(AIによる最適化機能)が進化しており、自動入札を用いて運用した方が成果が高くなります。

そして、1広告グループあたりのコンバージョン数が増えるほど、自動入札の精度が上がります。

予算が1媒体だけでは使い切れない金額(=月間予算2,000万円以上)でない限り、1媒体に予算を集中させた方が、リスティング広告の成果が高くなるのです。

リスティング広告で予算を分散させた場合と予算を集中させた場合の比較

「過払い金請求のリスティング広告は、Googleの方が成果が高くなることが多い」という理由から、今回はGoogle検索に絞りました。

 

② 広告グループを細分化

改善内容

  • 改善前:一般キーワードを1広告グループで設計
  • 改善後:一般キーワードの広告グループをキーワードニーズごとに分類
 

リスティング広告では、広告グループ単位で広告文を設定します。

クリック率が高い広告文を表示させるには、キーワードニーズごとに広告グループを分類しなくてはいけないのです。(補足:クリック率が上がるほど、クリック単価が下がります)

キーワードニーズの種類

種類 具体例 説明
潜在キーワード
過払い金 とは ニーズが生じる可能性があるユーザーが調べるキーワード
過払い金 意味
過払い金 時効
準顕在キーワード 過払い金 返金 ニーズは生じているが、解決策がわからないユーザーが調べるキーワード
過払い金 請求 方法
過払い金 返してもらうには
顕在キーワード
過払い金 弁護士 依頼先を検討しているユーザーが調べるキーワード
過払い金 相談
過払い金 おすすめ 東京
 

広告グループ単位で自動入札が働くことから、「広告グループは1つにまとめた方がいいのでは?」という質問をいただきます。

Google・Yahoo!ともに自動入札の精度は高いですが、精度が100%ではありません。

  • 全ての広告グループで自動入札が働くだけのコンバージョン数を確保することを前提に、
  • キーワードニーズごとに広告グループを分け、
  • キーワードニーズに沿った広告文を表示させる

こうした方が、成果が高くなります。

このクライアント様の上限予算は500万円/月でした。

「広告グループを分けても、自動入札が働く」と判断し、潜在キーワード・準顕在キーワード・顕在キーワードの3つで、広告グループを分類しました。

▼ 改善イメージ

過払い金請求のリスティング広告における広告グループの改善例

 

③ キーワードニーズごとに広告文を最適化

改善内容

  • 改善前:顕在層向けの広告文を1つ入稿
  • 改善後:キーワードニーズごとに広告文を最適化
 

キーワードニーズ(=広告グループ)によって、クリック率が高い広告文が変わります。

ユーザーが求めている情報が異なるからです。

広告文を作るときのポイント

  • 潜在キーワードの場合、手軽に無料相談できることを訴求
    ex.過払い金があるかもしれない方へ — 今すぐ弁護士に電話相談【無料】
  • 準顕在キーワードの場合、ベネフィットを訴求
    ex.過払い金に強い弁護士 — 平均100万円以上返金、秘密厳守
  • 顕在キーワードの場合、信頼性・差別化ポイントを訴求
    ex.過払い金に強い弁護士 — 相談実績10,000件超、24時間対応
 

1回でクリック率が高い広告文は見つけられません。

キーワードニーズごとに3個の広告文を入稿し、ABテストしていきました。

 

④ ロングテールキーワードを追加

改善内容

  • 改善前:ビックキーワード・ミドルキーワードを20個程度入稿
  • 改善後:ビックキーワード・ミドルキーワード・ロングテールキーワードを合計300個以上入稿
 

繰り返しになりますが、自動入札の精度は100%ではありません。

ビックキーワード・ミドルキーワードを部分一致で配信するだけでは、成果の出ないキーワードに配信され続けてしまいます。

ロングテールキーワードまで入稿し、それぞれを管理した方が、成果は高くなります。

ビックキーワード・ミドルキーワードのみを入稿した場合とロングテールキーワードまで含めた場合の比較

また、ビックキーワード・ミドルキーワードを部分一致で配信するだけでは、全ての関連キーワードに配信できません。(補足:配信キーワード数が増えると、費用対効果が高いキーワードへの配信数が増え、成果が高くなります)

今回おこなったキーワード抽出方法

  • キーワードツール
  • 今までの配信データ
 

上記の方法を用いて、ロングテールキーワードを抽出・追加しました。

配信クエリ・コンバージョンクエリを月一で確認し、随時キーワードを追加していきました。

 

⑤ マッチタイプを最適化

改善内容

  • 改善前:全てのキーワードを部分一致に設定
  • 改善後:成果・語句数に応じてマッチタイプを調整
 

④ ロングテールキーワードを追加」でのご説明と重複しますが、ビックキーワード・ミドルキーワードを部分一致で配信するだけでは、成果の出ないキーワードに配信され続けてしまいます。

ロングテールキーワードを入稿した上で、キーワードごとにマッチタイプを調整した方が、成果が高くなります。

マッチタイプの調整方法

  • 運用開始前
    ① 1語キーワードを完全一致に設定
    ② 2語キーワードをフレーズ一致に設定
    ③ 3語以上のキーワードを部分一致に設定
  • 運用開始後
    ① CPAが合っているキーワードは、「完全一致→フレーズ一致」、「フレーズ一致→部分一致」、に変更
    ② CPAが合っていないキーワードは、「部分一致→フレーズ一致」、「フレーズ一致→完全一致」、「完全一致→除外」に変更
 

上記の通りにマッチタイプを設定し、1ヶ月ごとにマッチタイプを調整していきました。

 

⑥ コールトラッキングツールを導入

改善内容

  • 改善前:電話番号タップで電話計測
  • 改善後:コールトラッキングツールを用いて実入電で電話計測
 

電話番号タップで電話計測していると、「電話番号をタップしたものの、実際は電話しなかったユーザー」がコンバージョンにカウントされてしまいます。

実入電数と電話コンバージョン数で50%程度の差が生まれます。

電話番号タップで電話計測したときに、電話コンバージョン数と実入電数で乖離が生まれる説明図

Google・Yahoo!ともに、コンバージョンユーザーのデータをもとに、自動入札が働きます。

そして、過払い金請求のリスティング広告では、問い合わせの40〜60%が電話経由です。

電場番号タップで電話計測していると、「電話番号をタップしたものの、実際は電話しなかったユーザー」への配信数も大幅に増えてしまうのです。

電話番号タップで電話計測したときに、実際は電話していないユーザーに配信が増えてしまう、ことを説明した図

コールトラッキングツール(=実入電で電話計測するツール)を導入し、実入電で電話計測していきました。

 

⑦ ランディングページを改善

改善内容

  • 改善前:全てのユーザーが問い合わせするように設計
  • 改善後:過払い金額が多いユーザーが問い合わせするように設計
 

繰り返しになりますが、Google・Yahoo!ともに、コンバージョンユーザーのデータをもとに、自動入札が働きます。

過払い金額が多いユーザーの問い合わせが増える(=過払い金額が少ないユーザー、過払い金の概要を聞きたいだけのユーザー、からの問い合わせを減らす)ほど、過払い金額が多いユーザーへの配信数が増えていくのです。

今回おこなったこと

  • 問い合わせユーザーを限定する文言を追加
    ex.10年以上、毎月2万円以上返済している方
  • 高額な過払い金額の事例を追加
    ex.過払い金額が500万円だった人の感想・お客様の声
  • 少額な過払い金額の事例を一部削除
    ex.借り入れが10万円だったのに、過払い金額が20万円だった人の感想・お客様の声
  • 過払い金の概要説明を追加
    ex.過払い金とは、過払い金の時効、過払い金の仕組み
 

既存のランディングページに、上記の修正を加えました。

 

改善後の成果

過払い金請求のリスティング広告の改善事例

CPAが54.1%(34,817円→15,991円)も改善しました。

450万円以上の予算を使えるようになり、問い合わせ数は709.5%(42件→298件)を達成しました。

クライアント様から成約率・過払い金額の掲載許可が出ていないため、数値は出せませんが、「どちらも大幅に改善している」という報告を受けています。

「所属弁護士の増加に応じて、どんどん予算を増やしていく」というお言葉をいただいています。

 

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