マーケティングには、多くのフレームワークが存在する。しかし、Webマーケティングで実際に使うものは限られている。
全てを覚えるだけ時間の無駄だ。
そこで本日は、Webマーケティングで実際に使うフレームワーク15個を厳選してお伝えする。これらを覚えれば、実務で困らないだろう。
じっくり読んで、ぜひ参考にしてほしい。
目次
1.要確認!Webマーケティングにおけるフレームワークとは
Webマーケティングにおけるフレームワークとは、「Webマーケティングの特定の事象に共通して使える考え方」のことだ。
特定の事象に直面したときに、なにを、どのように、どれくらい、考えればいいのかをパターン化したものと言える。
戦略立案・課題発見などで用いる。
Webマーケティングにおけるフレームワークの重要性
Webマーケティングは成果決定要因が多い。例えば、広告運用を一つ取ってみても、リスティング広告・Facebook広告・Twitter広告などがあり、それぞれで戦略立案・施策実行をおこなわなくてはいけない。
フレームワークを用いることで、全ての事象を素早く・漏れなく理解できるようになり、Webマーケティングが効率化する。
以上のことから、Webマーケティングをやる上でフレームワークは必要不可欠なのだ。
2.これさえ覚えれば問題なし!Webマーケティングのフレームワーク15選
Webマーケティングのフレームワークを、用途別に合計15個紹介していく。
まずは使い方を理解してほしい。そして、ブックマークに登録して、必要のたびに読み返し実践してほしい。
【思考編】Webマーケティングのフレームワーク2選
Webマーケティングの思考のフレームワークを2個紹介する。
これらは事象を深く考えるためのものだ。その他のフレームワークを使うときに必要になる。
確実に習得してほしい。
フレームワーク1:MECE
MECE(ミーシー)とは、重複・漏れがないように事象を分類するフレームワークのことだ。「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略語だ。
分類方法を一つ一つ検証して、重複・漏れが生じないものを発見・適用していく。特定の事象を正確に把握できるようになる。Webマーケティングのターゲット・市場を分析するときに用いる。
【具体例:クライアントを分類する場合】
業種で分類すると、重複・漏れが生じてしまう。複数事業を展開しているクライアントや変わった事業を展開しているクライアントが存在するからだ。しかし、資本金・従業員数などで分類すれば、重複・漏れがなくなる。
フレームワーク2:ロジックツリー
ロジックツリーとは、事象をツリー形式で分解するフレームワークのことだ。
事象が最小化するまで、「Why(なぜ?)」または「How(どのように?)」を問いかけてMECEで深掘りしていく。特定の事象を隅々まで把握できるようになる。Webマーケティングの課題・成果決定要素を抽出するときに用いる。
【具体例:コンバージョン数が少ない原因を探す場合】
【現状理解編】Webマーケティングのフレームワーク7選
市場分析・競合分析などで使うフレームワークを7つ紹介していく。
これらのアウトプットはWebマーケティング戦略の基となる。
何度か練習してから実務で使ってほしい。
フレームワーク3:3C分析
3C分析とは、下記の3つの観点からWebマーケティングの環境を分析するフレームワークのことだ。
- 市場・顧客(Customer)
- 競合(Competitor)
- 自社(Company)
それぞれを詳細に調べて、内部・外部環境を明確化していく。どんなポジショニングを取ればいいのか、どんなメッセージを伝えるべきなのかが分かる。
【具体例:過払金請求専門の弁護士事務所の場合】
フレームワーク4:4C分析
4C分析とは、下記の4つの観点から商品を分析するフレームワークのことだ。
- 顧客価値(Customer Value)
- 顧客負担(Customer Cost)
- 利便性(Convenience)
- コミュニケーション(Communication)
顧客視点で商品の特性を明確化していく。なぜ顧客は貴社商品を購入するのか、貴社商品の真の強みはどこなのかが分かる。Webマーケティング戦略を見直すときに用いる。
【具体例:業務改善コンサルティングの場合】
フレームワーク5:4P分析
4P分析とは、下記の4つの観点から商品を分析するフレームワークのことだ。
- 商品(Product)
- 価格(Price)
- 流通(Place)
- 販促(Promotion)
4C分析とは異なり、貴社視点で商品の特性を明確化していく。4C分析と一緒に用いることで、「貴社の考え」と「顧客の考え」との違いが分かる。
【具体例:業務改善コンサルティングの場合】
フレームワーク6:SWOT分析
SWOT分析とは、下記の4つの観点からWebマーケティングの環境を分析するフレームワークのことだ。
- 強み(Strength)
- 弱み(Weakness)
- 機会(Opportunity)
- 脅威(Threat)
市場が商品に与える影響を明確化していく。なにを差別化ポイントとして押し出すべきなのか、どれくらい予算をかけるべきなのかが分かる。
【具体例:注文住宅の場合】
フレームワーク7:TOWS分析
TOWS分析とは、SWOT分析の結果をWebマーケティング戦略に落とし込むフレームワークのことだ。別名、クロスSWOT分析と呼ばれている。
下記の4つに分類して、今後どうすべきかを明確化していく。
- 強み × 機会:強みと機会を活かすための行動
- 強み × 脅威:強みで脅威をカバーするための行動
- 弱み × 機会:弱みを機会でカバーするための行動
- 弱み × 脅威:弱みと脅威を避けるための行動
SWOT分析とセットでおこなう。
【具体例:注文住宅の場合】
フレームワーク8:PEST分析
PEST分析とは、下記の4つの観点から市場をマクロ分析(社会全体)するフレームワークのことだ。
- 政治的要因(Politics)
- 経済的要因(Economy)
- 社会的要因(Society)
- 技術的要因(Technology)
貴社商品を取り巻く環境を明確化していく。今まで気づいていなかったリスク、新たなチャンスを見つけられる。3C分析・SWOT分析の一環で用いる。
【具体例:薬局の場合】
フレームワーク9:5F分析
5F分析とは、下記の5つの観点から市場をミクロ分析(業界全体)するフレームワークのことだ。別名、ファイブフォース分析と呼ばれている。
- 顧客の交渉力
- 仕入先の交渉力
- 代替品の脅威
- 新規参入の脅威
- 競合の競争力
業界全体を取り巻く環境、業界内での貴社の立ち位置を明確化していく。Webマーケティングの進退の判断や差別化ポイントの発見が可能になる。PEST分析と一緒に用いる。
【具体例:薬局の場合】
【戦略立案編】Webマーケティングのフレームワーク4選
Webマーケティング戦略の立案時に使うフレームワークを4個紹介していく。
間違った戦略を立てると、施策実行をどれだけ頑張っても成果を出せない。
全て確実に理解して、使いこなせるようになってほしい。
フレームワーク10:STP分析
STP分析とは、下記の流れで顧客を明確化するフレームワークのことだ。
- セグメンテーション(Segmentation)
- ターゲティング(Targeting)
- ポジショニング(Positioning)
利用者を分類して、その中で誰をターゲットにするかを定める。その後、ターゲットにどんなポジショニングを取るのかを決める。
効率的にWebマーケティング戦略を立てられるようになる。
【具体例:投資用不動産の場合】
フレームワーク11:イノベーター理論
イノベーター理論とは、下記の5つにユーザーを分類して新商品の普及率を表したフレームワークのことだ。
- イノベーター:
新しいものに価値を感じる人たち - アーリーアダプター:
今後普及する可能性が高いものを使う人たち - アーリーマジョリティ:
実績がある新商品を使う人たち - レイトマジョリティ:
周りが使い始めたら新商品を使う人たち - ラガード:
新商品が生活必需品になったら使う人たち
イノベーターからアーリーマジョリティまでは加速度的に普及率が伸びていく。そして、レイトマジョリティ以降では普及率の伸びが鈍化する。
貴社商品がどこに位置しているかを調べることで、Webマーケティングでのターゲットを明確化できる。
フレームワーク12:AISAS
AISASとは、Web上でのユーザーの購買心理プロセスを表したフレームワークのことだ。流れは下記の通りだ。
- 注目(Attention)
- 関心(Interest)
- 検索(Search)
- 購入(Action)
- 共有(Share)
SNSや広告を見て、商品に興味を持つ。そして、検索エンジンで口コミ・評判を調べて購入し、SNSやブログに商品の評価を投稿する。
貴社の課題・強化すべきポイントがどこに該当するかを調べることで、どのWebマーケティング施策をおこなうべきかが分かる。
フレームワーク13:SMART
SMARTとは、Webマーケティングの目標設定するときに満たすべき5つの条件を表したフレームワークのことだ。
- 具体的(Specific)
- 計測可能(Measurable)
- 達成可能(Achievable)
- 経営目標と関連(Related)
- 期限(Time-bound)
目標から曖昧さがなくなり、チームメンバー同士で目標の認識にズレがなくなる。
【具体例:Webからの売上を増やしたい場合】
目標:3ヶ月でWeb経由の成約数100件を達成する
【施策実行編】Webマーケティングのフレームワーク2選
Webマーケティング施策を実行するときに使うフレームワークを2つ紹介していく。
これらは使う頻度が特に多い。なるべく早く習得してほしい。
フレームワーク14:5W1H
5W1Hとは、文章構成で意識すべき6つのことを表したフレームワークのことだ。
- だれが(Who)
- なにを(What)
- いつ(When)
- どこで(Where)
- なぜ(Why)
- どのように(How)
これらを意識して文章を書くことで、文章の趣旨が分かりやすくなる。チャット・メールでのやり取りに齟齬が生じなくなり、Webマーケティング施策の実行効率が上がる。
【具体例:チームメンバーに指示するときのメッセージ】
田中さん、本日中にリスティング広告のキーワードを見直してください。CPAが高いキーワードを除外しましょう。ここ最近、CPAが上がり、採算が取れなくなっています。
フレームワーク15:PDCA
PDCAとは、行動の流れを表したフレームワークのことだ。
- 計画(Plan)
- 実行(Do)
- 測定(Check)
- 改善(Action)
計画を立てて、その通りに実行する。その後、結果を測定し問題点を改善する。
この一連の流れを高速でおこない続けることで、Webマーケティング施策の実行の質が上がっていく。
【具体例:リスティング広告を実施する場合】
計画:ターゲットは中小企業の経営者
実行:計画に通りにLP・アカウントを作り出稿
測定:CPAが目標CPA以上だった
改善:キーワード・広告文を見直し
3.これだけは押えろ!Webマーケティングでフレームワークを使うときの3の注意点
フレームワークの使い方を間違えると、アウトプットの質が落ちてしまう。結果、成果が出にくくなる。
ここでは、Webマーケティングでフレームワークを使うときの注意点を3つ紹介していく。
全て確実に押さえてほしい。
【初心者必見】Webマーケティングでフレームワークを使うときの2の注意点
Webマーケティングでフレームワークを使うときの基本的な注意点が2つある。これらは誰もが押さえるべきことだ。
定期的に読み返して、忘れないようにしてほしい。
注意点1:最低3回は見返す
Webマーケティングは考慮すべきことが多い。例えば、外部環境を一つ取ってみても、市場・業界・競合の3つがある。
フレームワークを使っている途中で頭の中がこんがらがり、ミスが生じてしまうのだ。
そういった事態を防ぐために、最低3回は見返してほしい。
注意点2:事実にのみ基づく
予想のデータでフレームワークを使っても、質の高いアウトプットは出てこないのだ。理由は下記の2つだ。
- 感情の変化によって予想が変わる
- 自分の都合の良いように予想してしまう
また、Webマーケティングでは90%以上のデータを数値化できる。
まずは正確な情報を集めて、事実に基づいてフレームワークを使ってほしいのだ。
【中上級者必見】Webマーケティングでフレームワークを使うときの1の注意点
Webマーケティングでフレームワークを使うときの応用的な注意点が1つある。
ある程度使いこなせるようになったら、意識してほしい。
注意点3:スピード感を意識する
施策を実行しなければ、Webマーケティングの成果は出ない。言い換えれば、フレームワークに時間を使いすぎてはいけないのだ。
フレームワークを使うことにもPDCAを回し、アウトプットの質を維持しつつスピードを上げてほしい。
最後に
本記事で紹介した15個のフレームワークは、Webマーケティングの実務でよく使う。全て確実に覚えてほしい。そして、3つの注意点を意識しながら、実際に使ってみてほしい。
2〜3回使えば使いこなせるようになり、貴社のWebマーケティングの効率が大きく上がるだろう。
また、リサーチが必要なのであれば、「Webマーケティングのリサーチ」を参考にしてほしい。有効なリサーチ手法・押さえておくべきポイントが分かる。
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