Webマーケティング戦略は、Webマーケティングの成功の鍵だ。80%以上を握っている。ここを失敗してしまうと、どんな施策をやっても成果が出ない。
例えば、業界シェアNo.1の競合商品と訴求ポイントが同じだった場合、成果は出るだろうか?おそらく出ない。ほとんどのユーザーが競合商品を選んでしまう。
そこで本日は、勝てるWebマーケティング戦略の立て方を徹底解説していく。
じっくり読んで、ぜひ参考にしてほしい。
本記事は7,300文字にも及ぶ。原稿用紙に換算すると18.25枚分だ。読み切るまでに最低10分はかかる。もし今、お時間がないのであれば、「SNSでシェア」または「ブックマーク登録」をして後ほどゆっくり読んでほしい。
目次
1.要確認!Webマーケティング戦略とは
Webマーケティング戦略とは、「Webマーケティングで特定の営業目標を達成するための方針」のことだ。だれに、どんなメッセージを、どのように届けて、商品を販売していくのかを定める。
Webマーケティング戦略とWebマーケティング戦術の違い
Webマーケティング戦術とは、「Webマーケティング戦略を遂行するためのプラン」のことだ。どんな施策を、どのように実行していくのかを定める。
Webマーケティング戦略とは異なり、具体的な行動内容を指す。
ただし、「目標〜戦術」をWebマーケティング戦略と認識している人が多い。本記事でもそのような解釈で解説していく。
Webマーケティング戦略の重要性
Webマーケティング戦略が重要な理由は下記の3つだ。
- 施策数が多い:
SEO対策やSNS運用など、多くのWebマーケティング施策がある。それぞれで仕組みが大きく違う。商品に適した施策を選び、施策に合った実行をしなければ、成果が出ない。 - Web上の競合はビジネス上の競合と異なる:
Webマーケティングでは、ユーザーをターゲティングする。ビジネス上は競合でなかったとしても、ターゲットが被っていれば競合になってしまう。ターゲットに刺さるメッセージを考えなければ、商品の存在すら気づかれない。 - Webマーケティングの実施企業が増えている:
特許取得の商品や独自開発の商品でない限り、多くの競合他社がWebマーケティングを実施している。優位性・差別化ポイントなどを明確化しなければ、ユーザーから選ばれない。
以上のことから、Webマーケティングで成果を出すためには「勝てるWebマーケティング戦略」が必要なのだ。
2.必勝!Webマーケティング戦略の立て方〜10STEP〜
勝てるWebマーケティング戦略の立て方を10STEPで徹底解説していく。
まずは一度じっくり読んで、内容を理解してほしい。そして、1STEPずつ読み返しながら、実際に戦略を立ててみてほしい。
【要件定義編】Webマーケティング戦略の立てる2STEP
Webマーケティング戦略を立てるときの要件(=前提条件)を定義していく。
ここを飛ばすと、Webマーケティング戦略に一貫性がなくなる。判断基準がぶれるからだ。ポジショニングにペルソナが合っていないなどの事態が生じてしまう。
面倒くさがらずに、入念に実施してほしい。
STEP1:営業目標からKGIを逆算する
まずは、KGI(=Webマーケティングの最終的な数値目標)を設定する。
やり方は簡単だ。営業目標を下図の4項目に落とし込めばいい。
営業目標が「売上1億円増」の場合、KGIは下記の通りだ。
- 新規獲得を強化する場合
新規成約数100件増
新規成約単価100万円増 - リピート獲得を強化する場合
リピート数50件増
リピート単価200万円増 - 新規獲得とリピート獲得の両方を強化する場合
新規成約数50件増
新規成約単価100万円増
リピート数20件増
リピート単価250万円増
このとき、「%」ではなく、件数・金額でKGIを設定する。そうすることで、実施施策・施策ごとの予算を決めやすくなる。
また、貴社の課題が明確なのであれば、課題解決できるKGIを設定する(ex.新規獲得が課題なら、新規成約数・新規成約単価をKGIに設定)。改善余地が大きいため、その方がKGIを達成しやすい。
KGIの設定方法を、「Webマーケティングの目標設定方法」で詳しく説明している。ぜひ参照してほしい。
STEP2:取り巻く環境を3C分析する
続いて、3C分析で取り巻く環境を把握する。
3C分析とは、下記の3つを分析することだ。
- 市場(Customer)
- 競合(Competitor)
- 自社(Company)
それぞれ詳しく説明していく。
市場分析
市場分析では、下記の3つをおこなう。
- マクロ分析(社会全体)
【分析方法:PEST分析】
下記の4つの環境要因を調べる。
① 政治(ex.法改正、助成金支給)
② 経済(ex.税率改定、金融危機)
③ 社会(ex.人口変化、業界イメージ)
④ 技術(ex.自動化、特許申請)
その後、それぞれが貴社商品に与える影響を考える。 - ミクロ分析(業界全体)
【分析方法:ファイブフォース分析】
下記の5つを調べる。
① 顧客の交渉力(ex.他社への切り替えコスト)
② 仕入れ先の交渉力(ex.仕入れ先の競合数)
③ 代替品の脅威(ex.新技術、切り替えコスト)
④ 新規参入の脅威(ex.参入障壁、ブランド力)
⑤ 競合他社の競争力(ex.資金余力、成長率)
その後、それぞれで貴社がどれだけ優位に立てているのかを考える。 - 顧客分析
【分析方法:アンケート・インタビュー】
顧客に下記の3つを直接聞く。最低でも3回は「なぜ?」を繰り返して、顧客の深層心理を理解する。
① 購入を検討したきっかけ
② 貴社の商品を選んだ理由
③ 実際に使ってみた感想
その後、1年前の顧客と比較してどんな変化があったのかを考える。
市場を理解しなければ、貴社商品の強み・弱みが判明しない。真っ先に取り掛かってほしい。
PEST分析・ファイブフォース分析は、数々のサイトがやり方を詳しく紹介している。ご興味があれば、ぜひ検索してみてほしい。
競合分析
競合分析では、下記の2つを分析する。
- 競合他社がWebマーケティングで結果を出せている理由
- 競合他社がWebマーケティングで結果を出せていない理由
やり方はどちらも一緒だ。ここでは、「競合他社がWebマーケティングで結果を出せている理由」の分析方法を説明していく。
手順は下記の通りだ。
- Webマーケティングが上手くいっていそうな競合他社を挙げる
- 各社がWeb上でやっていることを調べる(ex.訴求ポイント、キャンペーン内容)
- 1と2を表にまとめる
- 共通点を調べる
こうして分かった共通点が、Webマーケティングで結果が出ている理由だ。貴社もやるべきことと言える。
具体例は下図の通りだ。
同様の流れで「競合他社がWebマーケティングで結果を出せていない理由」を分析して、貴社がやってはいけないことを調べる。(注.手順1で「Webマーケティングが上手くいっていなさそうな競合他社」を挙げる)
自社分析
最後に貴社の商品を分析していく。
しかし、ここでは何もやらなくていい。
市場分析・競合分析をしたときに、貴社に与える影響や貴社がやるべきことなどをまとめたはずだ。それらが自社分析の結果だ。
【方針決定編】Webマーケティング戦略の立てる3STEP
要件を定義した後は、方針を決めていく。
方針はWebマーケティング戦略の中で最も重要だ。戦術策定(ex.施策選定)の基になるからだ。Webマーケティングの成果に大きな影響を及ぼす。
じっくり読み込んでほしい。
STEP3:勝てるポジショニングを見つける
「STEP2:取り巻く環境を3C分析する」の分析結果を基に、勝てるポジショニングを見つけていく。
やり方は下記の通りだ。
- 市場分析結果を見て、ターゲットニーズを洗い出す
- ①の中で貴社の強みで解決できるものを挙げる
- ②と競合分析結果を比較して、他社がやっていないことを見つける
こうして勝てるポジショニングを見つけられる。
おそらくこの作業には時間がかかるだろう。しかし、時間をかければ必ずできる。途中で投げ出さずに、じっくりやってほしい。
STEP4:最重要顧客をペルソナに設定する
ここまでの情報を基に、ペルソナを設定していく。
ペルソナとは、「架空の顧客像」のことだ。最重要顧客(=購入率が最も高いユーザー)を設定することで、多くのユーザーの考え方・感情を深く理解できるようになる。
やり方は下記の通りだ。
- 最重要顧客のデモグラフィックデータを収集する
【収集すべきデータ】
① 年齢
② 性別
③ 住所
④ 職種
⑤ 役職
⑥ 勤務地
⑦ 年収
⑧ 家族構成
⑨ 情報収集ツール - 顧客分析結果・ポジショニングを基にサイコグラフィックデータを収集する
【想定すべきデータ】
① よく調べること
② 抱えている悩み
③ 将来なりたい姿
④ 現在、商品を買っていない理由
⑤ 購入決定までの流れ
⑥ 購入の決め手 - たった1人の顧客像に落とし込む
【具体例:営業支援ツールの場合】
41歳の男性。千葉県在住だ。東京都のITコンサルティング会社に勤めている。営業本部長に昇進したばかりだ。年収は1,200万円。営業部の成績に収入が連動している。仕事に明け暮れるがあまり、一昨年離婚してしまった。GoogleとFacebookで主に情報収集している。仕事熱心で常に営業部の成績を上げることを考えている。将来は社長まで昇進したい。最近、本部長に昇進し、営業部全体を見渡すと、多くの見込客を逃していることが分かった。そこで、見込客管理ツールの導入を検討し始めた。せっかく導入するからにはツールを使いこなしたいと考えており、運用までサポートしてくれる会社を探している。年間1,000万円未満であれば、上に通さなくても決裁できる。
想像でペルソナを設定してはいけない。あなたの都合の良い顧客を想像してしまうからだ。実在しない顧客がペルソナになってしまう。必ず事実に基づくようにしてほしい。
STEP5:最も伝えたいメッセージを決める
最も伝えたいメッセージとは、貴社商品独自の「売り言葉」のことだ。これを基にコピーを考えることで、バナーやランディングページなどに貴社商品の強みを反映しやすくなる。
決め方は下記の通りだ。
- ペルソナに向けて、
- ポジショニングを明確にしつつ、
- ベネフィットを伝える
例えば、運用サポートが強みの営業支援ツールの場合、下記のメッセージが考えられる。
- 誰でも使いこなせる!もう見込客を無駄にしない!
最適なメッセージは一回で思いつかない。候補を5〜6個出して、その中から選ぶようにしてほしい。
【戦術策定編】Webマーケティング戦略の立てる5STEP
いよいよWebマーケティング戦術を決めていく。
ここまできたら、Webマーケティング戦略の完成まであとちょっとだ。
最後まで気を抜かずに読んでほしい。
STEP6:許容コストを算出する
許容コストとは、「特定のアクションを獲得するのにかけられる費用」のことだ。
ここでは、下記の2つを算出する。
- 許容CAC:成約1件獲得するのにかけられる費用
- 許容CPA:問い合わせ or 資料請求を1件獲得するのにかけられる費用
やり方は下記の通りだ。
- LTV(=1人の顧客が生涯で生み出す利益)を算出
- LTVのうち何%をマーケティングにかけるか決定(20〜30%が相場)
- 「LTV × マーケティングにかける割合(=許容CAC)」を計算
- 過去データから見込獲得〜成約までの各ポイントでの割合を算出
【算出すべき割合】
① 成約率(=成約数 ÷ 商談数)
② 商談化率(=商談数 ÷ 問い合わせ数 or 資料請求) - 「許容CAC × 成約率 × 商談化率(=許容CPA)」を計算
具体例は下図の通りだ。
Web上で購入まで完結する商品の場合、「許容CPA=許容CAC」となる。わざわざ許容CPAを算出しなくていい。
STEP7:効果的な施策を選定する
次にWebマーケティング施策を選定していく。
やり方は下記の通りだ。
- 下図を見ながら、KGIに適した施策を選んでいく
- 下図を見ながら、貴社商品と相性の良い施策を残す
- 選定施策の想定CPAを調べて、想定CPAが許容CPA以上の施策を省く
こうして残った施策が貴社商品に効果的な施策だ。
ここに失敗すると、施策実行をどれだけ頑張っても成果が出ない。予算が無駄になってしまう。慎重に実施してほしい。
また、採算の合う施策が見つからなかった場合、貴社商品のLTVが低すぎるということだ。Webマーケティングをやる前に、クロスセル商品・アップセル商品を開発した方がいい。
施策の選定方法は、「Webマーケティング手法」で詳しく説明している。ぜひ参照してほしい。
STEP8:施策ごとにKPIを割り振る
KGIをWebマーケティング施策ごとのKPIに落とし込んでいく。
やり方は下記の通りだ。
- 過去のデータを基にKGIをWeb上でのコンバージョン数に置き換える
- 施策ごとの上限コンバージョン数を調べる
- 確実性・即効性が高い施策から順にKPIを割り振っていく(下図を参照)
具体例は下図の通りだ。
KPIを割り振れなかった施策は、実施しなくていい。実施しなくてもKGIを達成できる。
KPIの設定方法を、「Webマーケティングの目標設定方法」で詳しく説明している。ぜひ参照してほしい。
STEP9:施策ごとに予算を決める
Webマーケティング施策ごとに予算を決めていく。
やり方は簡単だ。それぞれで「想定CPA × KPI」を計算すればいい。
例えば、下記の条件の施策では、予算が500万円になる。
- 想定CPA:5,000円
- KPI:資料請求1,000件
予算が足りない場合、「予算の増額」または「KGIを下げる」のいずれかをやらなくてはいけない。どちらにするか社内で相談してほしい。
SEO対策やSNS運用などの資産性の高い施策のみを実施すれば、「予算を上げる」または「KGIを下げる」のいずれかをやらなくてもKGIを達成できる。しかし、このやり方はおすすめしない。成果が出るまでに時間がかかるからだ。赤字期間が長く、精神衛生的に悪い。おそらく成果が出るまで施策を続けられないだろう。
STEP10:現実的な実施スケジュールを作る
最後にWebマーケティング施策の実施スケジュールを作っていく。
ここで押さえておくべきポイントは下記の2つだ。
- 確実性・即効性が高い施策から始めていく(※ STEP8に添付の図を参照)
- いつ、だれが、どの施策の、PDCAを回すのか決める
具体例は下図の通りだ。
必ず現実的なスケジュールを作ってほしい。そうしないと、スケジュールが徐々にずれていって、PDCAをいつ回せばいいのかが分からなくなる。
これでWebマーケティング戦略は完成だ。内容を再確認して、実際に施策を実行していってほしい。
3.必見!Webマーケティング戦略を機能させる3のポイント
Webマーケティング戦略が上手く機能しなければ、Webマーケティング戦略を立てた意味がない。時間の無駄になるだけだ。
ここでは、そういった事態を回避するためのポイントを3つ紹介していく。
【立案時】Webマーケティング戦略を機能させる2のポイント
ポイント1:実行ありきで立てる
Webマーケティング戦略が優れていたとしても、そもそも施策を実行できなければ成果は出ない。言い換えれば、Webマーケティング戦略は実行ありきでなくてはいけないのだ。
よくある失敗は下記の3つだ。
- 複数のメッセージを伝えようとする
- 競合が多いのに許容コストが低すぎる
- チームメンバーが少ないのに実施施策数が多すぎる
これらには十分注意してほしい。
実行できることを大前提にWebマーケティング戦略を立てて、施策実行しながら理想に近づけていくのがいいだろう。
ポイント2:施策の成果を見ながら随時最適化する
最初に立てたWebマーケティング戦略は、あくまで仮説だ。間違いも存在する。施策の成果を確認しながら、随時最適化していかなくてはいけない。
よくある間違いは下記の3つだ。
- ポジショニングがターゲットニーズを捉えていない
- ペルソナの該当ユーザーが少なすぎる
- 相性が悪い施策を選んでいる
これらを中心に最適化してほしい。
【運用時】Webマーケティング戦略を機能させる1のポイント
ポイント3:全ての関係者に戦略が立つまでの流れを共有する
チームメンバーや利用業者が多い場合、Webマーケティング戦略と施策実行にズレが生じやすい。下記のようなことが起きてしまうのだ。
- 「誰でも使いこなせる」が差別化ポイントなのに、ランディングページでは「安さ」を最も訴求している
全ての関係者にWebマーケティング戦略が立つまでの流れを共有して、どのように施策を実行すべきなのかを理解してもらわなくてはいけないのだ。
チームメンバーには、1〜2時間かけて全体像をじっくり説明する。利用業者には、全体像の説明資料を送付し、必要な箇所だけ打ち合わせですり合わせるのがいいだろう。
最後に
Webマーケティング戦略は、Webマーケティングの成功の鍵を握る。ここを失敗すると、あなたが思うような成果は得られない。
本記事の内容を実践するのに、専門知識は必要ない。誰でも実践できるはずだ。
何度も読み返しながら、勝てるWebマーケティング戦略を立ててほしい。あなたの1週間を全て使ったとしても、損しないだろう。
Webマーケティングの戦略を立てるときに使うフレームワーク4個を、「Webマーケティングのフレームワーク」で紹介している。ぜひ参照してほしい。
また、Webマーケティングの勉強方法を、「Webマーケティングを独学」で詳しく説明している。そちらもぜひ参照してほしい。
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